2007年08月28日

ハードコア読書

血の匂いを求めて平野夢明を、
バイオレンスを求めて佐藤亜紀を読み進め中。


偏執とも言える作家性には好き嫌い別として信頼が置ける。
塩野七生を読んで軍略に興味を持てたり、司馬遼太郎を読んで史観や風土を知ることができたりするし。

先週先述後者のミノタウロスを読み終えて、舞台となるロシア革命前夜に関する本を早朝から探しに出かける程作家の情熱が伝播。

全く知らなかった時代と地域と人間ドラマを容赦ない語り口で少しずつ切り開きしかし200ページ余りで大河ドラマとしてまとめてしまうというこの作品、本格派を求めてらっしゃるアナタに激しくお奨めいたします。
出版直後にはアマゾンなんかで売切れ状態、倍近い値段がついていました。

本当に感動できる本は20分の1がいいとこだけどミノタウロスは久々のヒットか。

最近は作家の多様性が持て囃され、なんたら賞をとった作家がどんどんつまらなくなる。
角川書店から出た東野圭吾の新作のオビに最高傑作の煽りが。
翌月には売上ランキング一位との発表。

普段本を読む機会のない人達はこう思うんだろうか。
「有名な作家だし直木賞もとってるし最高傑作て書いてるから泣けるんだろう」

少なからずの期待を込め読んでいるもともとの東野ファンはどう思うか。

自分の感想としては
「国民の時間と金を返せ」という他ない仕上がりだった。

売れるラブソングしか歌わなくなるようなロックバンドのように、
愛すべき本格サスペンス&ミニドラマの図式が崩壊され、読者の良識を問うようなメロ問題提起ドラマばかりを創るようになるのか。

映画などのタイアップを狙ったような作品にはもううんざりだ。
そこにもはや作家の姿はないよ。

奥田英朗も最初は好きだったのになんか変わってしまった。

九月は挫折していたガルシアマルケスや夢野久作を読み脳をふやふやにして渡米します。
その前に目の前にあるどう考えてもあと2時間はかかるお仕事をなんとかしようと思います。

ありがとうございました。


Posted by Ryoo at 04:54│Comments(0)
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